課題 >> 12. 「子供の動揺や事故に対処する」 の記事を、「話してちょうだい」のセクションまで読んでください。

子供の動揺や事故に対処する

このセクションでは、子供が成長する過程で往々にして起こる、何かにぶつかったり、転んだりした時の打ち身や擦り傷、恐れや動揺から子供が早く立ち直れるように、親や周囲の人々が行うべき、さまざまなテクニックを紹介します。

以下に紹介するテクニックは、そのほとんどが主な手当ての手段として、大人と子供の間のコミュニケーションを利用しています。 サイエントロジーのどの側面にも当てはまることですが、子供と接する場合にも、コミュニケーションは極めて重要な鍵を握ります。

これから説明するさまざまな方法は、すべてアシストとして区分されます。 アシストとは、人が目前にある厄介な問題から解放されて安心を得られるように、手助けとして実行される行為のことです。 これらのアシストは、状況に応じて、「病気やけがのためのアシスト」のコースで教えられているさまざまなアシストに加えて用いるべきです。 これは子供とその家庭に多大な恩恵をもたらすことでしょう。

子供のけが

ちょっと転んだり、切り傷をつくってしまった子供のためにしてやれることはたくさんあります。 幼い子供の場合には、好きなだけ泣かせてやるだけで十分なように思われます。 子供がけがをすると、大抵の大人たちは、反射的に、あやしたりなだめたりするものです。 そこで言う台詞と言えば、ほとんどの場合、子供が以前にけがをした時に何回も口にしたものとちっとも変わらないものなのです。 その言葉によって子供は、前に負ったけがのことを次から次へと思い出してしまいます。

親は、何も言わなくても子供の力になってやることができます。 子供がけがをしたというのに、何も言わないように訓練するには少々時間がかかるでしょう。しかし、沈黙を守るという習慣を身に付けるのはさほど難しいことではありません。 沈黙とは感情を抑制することではありません。 子供が抱きしめてほしいと思っているようでしたら、抱きしめてやっても構いません。あるいはそっと腕をまわしてやるだけでもいいのです。 あなたが何も言わなければ、小さな子供の場合はちょっとの間、激しく泣くことでしょう。しかしその後、ぴたりと泣きやみ、にっこり笑って、またけがをする前にやっていたことへ戻っていきます。 子供は、存分に泣かせることで、けがをしたことによる緊張が解かれるようです。これができればアシストは必要ありません。 実際、こうした方法で緊張を解いてやらなければ、けがをした時にやっていた活動に子供を戻らせることはとても難しいものです。

「話してちょうだい」

しばらく泣いた後でも機嫌を直さない場合には、もう少し様子を見て、けがをした際に伴った一瞬の意識の低下が回復するのを待ってください。 通常、子供の意識がもうろうとしている時とそうではない時を見分けるのは難しいことではありません。 子供がけがからショックを受けている時期を過ぎても泣きやまないような場合は、以前に経験した別のけがの記憶がよみがえっているのです(今の状況が過去の状況に似てきていることによって再刺激されている)。 このような場合には、アシストが役立ちます。 もう少し年齢のいった子供(5歳以上)は大抵の場合、アシストが必要となります。

けがをした子供は、コミュニケーションによって大いに助けられます。
何が起きたのか子供に説明させてください。治療効果をもたらすことができます。
興味を持って聞いてくれる人に事の経緯を話すことによって、子供の不安は解消し、気持ちが晴れるでしょう。

子供の意識が回復した時点で「一体どうしたの? 何をしていてけがをしたの? 話してちょうだい」と尋ねてみてください。

子供は話し始めます。子供が事の経緯を自発的に現在形で話さないようでしたら、現在形で話すように促してください。 以下のように進めてください。

「あのね、大きな岩の上に立っていたんだ。そしたら、すべって落ちちゃったの。でね・・・」(泣いている)

「岩の上に立っていて、痛くない?」

「痛くない。」

「岩の上に立っていて、どうなるの?」

「すべる・・・」(泣いている)

「で、どうなるの?」

「下に落ちちゃう。」

「地面には草は生えてるかしら?」

「ない。お砂ばっかり。」

「もう一度話してちょうだい。」

子供が飽きてきたり、笑い出したりするまでこのような会話を何回も繰り返すのです。 難しいことは何もありません。 こうしたやり方で何度かアシストを受けると、子供は次にけがをした時には、痛みを伴わないこの手当てで自分を安心させてくれることのできる大人のところに駆け寄っていき、「話してちょうだいをやって」と言うことでしょう。

ふたりの人が空間を越えて考えをやり取りすること。